大判例

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東京高等裁判所 昭和41年(行ケ)98号 判決

特許庁における本件審査、審判手続の経緯、本願発明の要旨および目的効果、本件審決の理由の要旨についての請求原因第一項ないし第三項の事実は、すべて当事者間に争いがない。

本願発明(一)(二)の目的、すなわち、それが解決しようとした技術的課題は,風損と機械損によるロスエネルギーを供給するだけで、いかなる大電流を取出しても定速を維持するいわゆる能率一〇〇%以上、すなわち、入力としての運動エネルギーの総量より出力としての電気エネルギーの総量が大となる直流発電機を得ることにある。原告の主張するところによれば、本願発明(一)(二)の発電機が右のとおり能率一〇〇%以上の作用効果を収めうる理由は、同発電機においては、負荷の大小にかかわらず、電機子磁束が界磁回転子の回転にブレーキ作用を及ぼさないばかりでなく、回転子に回転方向の回転力を与えるというにあり、それは、電機子磁束が成層板または成層鉄心に垂直に入り、かつ、界磁の磁束を回転子の回転方向に引き寄せるように働くことにもとづくというにある。しかしながら、原告の説明によつても、また本件に提出されたすべての資料をもつてしても、電機子磁束が成層板または成層鉄心に垂直に入り、界磁の磁束を回転子の回転方向に引き寄せるように働くことによつて、負荷の大小にかかわらず、電機子磁束が界磁回転子の回転作用に妨害的影響を及ぼさず、かえつて、回転子に回転方向の回転を与えることを認めしめるに足りない。そればかりでなく、風損と機械損によるロスエネルギーを供給するだけで、いかなる大電流を取り出しても定速を維持し、入力としての運動エネルギーより出力としての電気エネルギーの総量が大となる効果を奏するという装置は、いわゆる永久機関であつて、エネルギー保存法則に反し、不可能とされているものであり、原告の本願発明(一)(二)は、あえてこの法則を破ろうとするものであるが、特に合理的根拠が示されていないので、この法則に反する効果をにわかに肯認することはできない。

右のとおりである以上、本願発明(一)(二)をもつて、企図された目的を達しえないものであり、旧特許法第一条の発明と認めえないとした本件審決(一)(二)の判断には違法はなく、その主張のような違法を理由にその取消を求める原告の本訴請求は、いずれも、その余の点について判断するまでもなく理由がない。

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